概要

宇宙観測研究センターは、宇宙物理学の観測的研究を推進する研究拠点として2019年に設立されました。現代の宇宙観測は、あらゆる波長の電磁波からニュートリノや重力波といった電磁波以外の手段を用いて飛躍的に発展を遂げています。観測装置の高度化、大規模化とともにさまざまな手段で得られた観測データを自在に利用することが、ますます重要になってきています。本センターでは、国立天文台やJAXA宇宙科学研究所との共同研究をもとに、国内外の光・赤外線やX線・ガンマ線の最先端の観測装置を用いた観測によって、天体の形成・進化および物質・エネルギーの生成・循環について宇宙物理学の研究を推進しています。同時に、次世代の観測装置開発や波長横断的研究を推進するためのデータ提供のあり方についても研究をすすめ、その成果のコミュニティへの還元を目指しています。

お知らせ

メンバー・研究紹介

田代 信(TASHIRO Makoto)センター長

理工学研究科 教授

研究活動業績(埼玉大学研究者総覧)

研究室webサイト

X線天文衛星・ガンマ線バースト観測衛星の開発。活動銀河核やガンマ線バーストの観測的研究。 JAXA X線分光撮像衛星(XRISM)計画PI。

寺田 幸功(TERADA Yukikatsu)

理工学研究科 准教授

研究活動業績(埼玉大学研究者総覧)

研究室webサイト

X線天文衛星や地上γ線望遠鏡の開発。宇宙における熱的プラズマや非熱的現象、重元素合成に関する観測的研究。XRISM衛星科学運用部門リーダー、国際天文高エネルギー衛星較正連合(IACHEC)分科会チェア。

大朝 由美子(OASA Yumiko)

教育学部/教職大学院/理工学研究科 准教授

研究活動業績(埼玉大学研究者総覧)

研究室webサイト

可視光・赤外線および電波を用いた観測天文学。星・褐色矮星・惑星の形成や、系外惑星についての観測的研究を中心に、次世代TMT望遠鏡の推進や光赤外大学間連携事業の運用、光赤外望遠鏡の観測装置開発なども行っている。

佐藤 浩介(SATO Kosuke)

理工学研究科 准教授

研究活動業績(埼玉大学研究者総覧)

研究室webサイト

主にX線を用いた宇宙物理学実験:高エネルギー現象からのX線、特に銀河の大集団である銀河団の観測的研究と極低温下で動作するX線マイクロカロリメータの開発を行っている。

勝田 哲(KATSUDA Satoru)

理工学研究科 助教

研究活動業績(埼玉大学研究者総覧)

研究室webサイト

主にX線天文衛星を用い、恒星が一生の最期に起こす超新星爆発、太陽、地球超高層大気の観測的研究を進めている。

セミナー開催情報

電波超新星に基づいた大質量星の質量放出史の解明

日時:2021/10/22 (金) 9:30-10:30

講演者:松岡知紀(京都大学 博士後期課程2年)

場所:物理学会議室(理学部1号館4階)

概要:

太陽の約8倍以上の質量をもつ大質量星は、恒星風などによる質量放出を経験しながら進化し、最期に重力崩壊型超新星と呼ばれる大爆発を起こして一生を終える。超新星からの放射は親星そのものの特徴を反映するだけでなく、質量放出により形成された星周物質の情報も含んでおり、親星の質量放出率に示唆を与える。特に超新星の電波放射は星周物質の密度の良いトレーサーであり、大質量星の恒星進化を観測的に制限する重要な手段となる。

近年の超新星の可視光観測により大質量星は爆発のわずか100年前から大規模な質量放出をしていることが提唱され始め、既存の恒星進化理論では説明できない現象として注目を集めている。これは親星の近傍にのみ分布する高密度な星周物質が可視光の放射に及ぼす影響をもとに示唆されているが、可視光観測では初期に明るい超新星にバイアスされる、輻射輸送モデルの解釈が複雑になるといった問題を含んでいる。そこで我々は星周物質の探査手段としてよりクリアなものである電波放射に注目し、重力崩壊型超新星の初期における電波放射のモデリングと観測を試みた。高密度な星周物質においては電波放射の典型的周波数が高くなるため100GHz帯のミリ波放射が卓越する。そして、そのミリ波放射は可視光観測よりも高い精度で星周物質の密度を区別できるうえ、ALMA干渉計で検出可能なほど明るく輝くことを示した。さらに、我々の観測グループではALMA干渉計のTarget of Opportunity観測を行い、超新星の爆発直後におけるミリ波観測に取り組んだ。その結果、爆発直後に可視光で暗い超新星でも電波放射は生じること、そのような超新星親星でも爆発の直前に質量放出率が増加していることを明らかにした。本講演ではこれらの研究成果の詳細や、超新星・超新星残骸の進化と大質量星の恒星進化を結びつけるような研究の将来展望について議論する。


今までのセミナー情報はこちら

問い合わせ・アクセス

埼玉県さいたま市桜区下大久保255 埼玉大学 理学部1号館5階 物理学科事務室

TOP