戦略研究センター X線・光赤外線宇宙物理研究領域は、宇宙物理学の観測的研究を推進する研究拠点として2019年に設立された宇宙観測研究センターを引継ぎ、2022年に新領域として設立されました。現代の宇宙観測は、あらゆる波長の電磁波からニュートリノや重力波といった電磁波以外の手段を用いて飛躍的に発展を遂げています。観測装置の高度化、大規模化とともにさまざまな手段で得られた観測データを自在に利用することが、ますます重要になってきています。本センターでは、国立天文台やJAXA宇宙科学研究所との共同研究をもとに、国内外の光・赤外線やX線・ガンマ線の最先端の観測装置を用いた観測によって、天体の形成・進化および物質・エネルギーの生成・循環について宇宙物理学の研究を推進しています。同時に、次世代の観測装置開発や波長横断的研究を推進するためのデータ提供のあり方についても研究をすすめ、その成果のコミュニティへの還元を目指しています。
2024/07/08 | 7月31日(水)にJAXA 宇宙科学研究所・宇宙航空プロジェクト研究員 伊師大貴氏によるセミナーが開催されます |
2023/11/16 | 11月27日(月)に学振特別研究員 武尾舞氏によるセミナーが開催されます |
2023/10/30 | 12月15日(金)にワイズバベル 坂野正明氏によるセミナーが開催されます |
2023/10/25 | 11月24日(金)に大阪大学大学院工学研究科 和田有希氏によるセミナーが開催されます |
2023/09/11 | 9月7日(木)に田代信教授がPIを務めるX線分光撮影衛星 XRISMの打ち上げが成功しました。JAXAプレスリリースはこちら→打上げ成功 XRISMクリティカル運用期間終了 |
2023/09/08 | 9月15日(金)京都大学理学研究所 Shiu-Hang (Herman) Lee (李兆衡) 氏によるセミナーが開催されます |
2023/09/06 | 9月28日(木)に令和5年度埼玉大学研究機構戦略研究センター第1回公開シンポジウムが開催されます。→詳しくはこちら |
2023/07/26 | 8月26日(土)に田代信教授がPIを務めるX線分光撮影衛星 XRISMが打ち上げられます。XRISM×SLIM特設サイト ファン!ファン!JAXA! |
2023/06/14 | 8月8日(火) NASA/GSFC, Maryland Universityの林多佳由氏によるセミナーが開催されます |
2023/06/12 | 6月30日(金) 勝田哲准教授主催のワークショップが開催されます |
2023/02/01 | 佐藤浩介准教授がJSPS 二国間交流事業に採択されました |
2023/02/22 | 勝田哲准教授、田代信教授、寺田幸功准教授、佐藤浩介准教授の研究がプレスリリースされました→埼玉大学Webサイト |
2022/12/09 | 田代信教授の携わる研究がプレスリリースされました→埼玉大学Webサイト |
2022/02/14 | 寺田准教授がJSPS 令和4年度研究拠点形成事業・先端拠点形成型に採択されました |
2021/10/18 | 10月22日(金)開催 セミナー情報を掲載しました |
田代 信(TASHIRO Makoto)
理工学研究科 教授
X線天文衛星・ガンマ線バースト観測衛星の開発。活動銀河核やガンマ線バーストの観測的研究。 JAXA X線分光撮像衛星(XRISM)計画PI。
寺田 幸功(TERADA Yukikatsu)
理工学研究科 准教授
X線天文衛星や地上γ線望遠鏡の開発。宇宙における熱的プラズマや非熱的現象、重元素合成に関する観測的研究。XRISM衛星科学運用部門リーダー、国際天文高エネルギー衛星較正連合(IACHEC)分科会チェア。
佐藤 浩介(SATO Kosuke)
理工学研究科 准教授
主にX線を用いた宇宙物理学実験:高エネルギー現象からのX線、特に銀河の大集団である銀河団の観測的研究と極低温下で動作するX線マイクロカロリメータの開発を行っている。
勝田 哲(KATSUDA Satoru)
理工学研究科 准教授
主にX線天文衛星を用い、恒星が一生の最期に起こす超新星爆発、太陽、地球超高層大気の観測的研究を進めている。
日時:2023/12/15(金)10:30-12:00
講演者:坂野正明 (ワイズバベル (英文校閲・日英翻訳: Twitter/@WiseBabel) http://www.wisebabel.com/
場所:理学部3番教室(理学部 講義実験棟 1階)
概要:
ちゃんとした英語文章を書くとき、自分の英語が本当に意図通り伝わるのか、不安感がなかなか拭えない経験がありませんか。母国語でさえ書き言葉は難しいところ、英語ならばなおさらなのはもっともです。その時、明日からでも実行できる最大の対策は、理路整然と書くことにつきます。それは論文であれあるいは交渉事の通信であれ共通の大原則です。 近年はChatGPTなどAIベースの優れたツールも登場してきました。しかし、元々筋が間違っていたりあるいは入り組んでしまっている文章を正確で読みやすいものにしてもらうことは期待できません。実はAI時代だからこそ、今まで以上に書き手の資質が問われるとも言えます。むしろ、AI生成の十把一絡げの文章があふれかねない近未来こそ、書き手として何か光るものを出したいものです。 本講演では、理路整然とした筋の立て方と、それを英文として確実に伝達する作文方法について、本質的でかつ具体的、実戦的なアドバイスをまとめます。近年の補助ツールの発展の功罪にも触れます。過去データ機械学習をベースとするAIに特有の欠点であるコンプライアンス的問題についても言及し、グローバル時代を生きる人々のコミュニケーションに一つの指針を提供します。英国在住20年超、論文他の英文校閲を主業とし、日本語を母語とする理系研究者や学生の英文に見られる典型的傾向を熟知する講演者によるセミナーです。
日時:2023/11/24(金)15:00-16:30
講演者:和田有希 大阪大学大学院工学研究科・助教
場所:物理学会議室(理学部1号館4階)
概要:
局地的豪雨や線状降水帯などによる甚大な災害が取り沙汰される中、その正確な観測および予測が急務となっている。豪雨や降雹、落雷などをもたらす積乱雲は地表付近と高層で温度差が大きく水蒸気量の多い不安定な大気中で対流性雲として発達し、その雲頂は対流圏界面の高度である10 kmから15 kmまで達する。こういった積乱雲を含む降水システムの観測一般には、主にマイクロ波 (5-10 GHz) を用いた気象レーダーが使用されている。従来の気象レーダーはパラボラ式のアンテナを用いてビーム幅が1度程度の電波を用いて観測を行っているが、積乱雲などの3次元降水観測を行うにはアンテナ仰角を機械的に変更して何度もスキャンする必要があり、5-10分程度を要していた。そこでより高速・高密度な観測を行うべく、2012年にフェーズドアレイ気象レーダー (PAWR)が開発された。PAWRは送信波に仰角方向に幅の広いファンビームを用い、また受信時に128本のアンテナによる位相差情報でビーム幅を1度程度に絞る電子スキャンを採用し、3次元スキャンが30秒で完了する。さらに2018年には降水の推定精度が向上した二重偏波PAWR (MP-PAWR) が開発され、埼玉大学に設置された。
本セミナーではフェーズドアレイ気象レーダーの研究開発、降水の観測と予測に関する最新の研究結果をレビューする。
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